ゆめの国日々

目が覚めても、まだゆめの中にいるような毎日

秒速5センチメートル

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 今日、また秒速5センチメートルを観ました。この映画に出逢ってから五年、なんとなく少なくとも年一度、観ています。そして、なんとなく、観る度に、泣いてしまいます。ものすごく悲しい物語でもなく、ものすごく感動的な内容でもないのに。ただ、美しい映像を観ながら、色んな時の自分を思い浮かべ;とっくに連絡が絶えた誰かと手紙を交わした小学生頃の自分;誰かに片思い、必死に追っかけていたけれど目の前にすると何も言えなくなる青春の自分;埼京線に乗って迷いを抱えながら毎日ひたすら会社へ向かっていた少し前の自分;仕事を辞めて、好きなことをしても良い、何もしなくても良い夢のような毎日が続いている今の自分;そして、この夢から目覚めた後この先の自分を恐れながら考えてしまいます。

 五年間、毎回、前回とは少し違う自分でこの映画をみて、見えること、考えること、感じることも少し変わって行き。おそらく、五年後、十年後もまだこの映画を観ているでしょう。その時、どんな風に思うのでしょうね。どんな自分がいるのでしょう。

 なぜか新海監督の作品にいつもこんなに引かれるなんでしょう。懐かしいさとか、初恋とか、過去とか、絶望とか、迷いとか、不安とか、未来とか、記憶とか、暖かさとか、笑いとか、夢とか、桜とか、光とか、多分そんな誰もが自分の中のどこかで持っていて、うまく言葉にできない抽象的なものをこんなに美しく切なく表現してくれるのは、新海誠だけだと思います。